人と比較してしまう性格傾向の人

また、性格上の問題も大きいといえます。その人の性格が柔軟であるかどうかが、心の病になるかどうかの大きな決め手になります。非常に性格が柔軟で、穏やかな人がいます。また、 ユーモアに富み、人生を楽観的に見る人がいます。このような人たちが、心の病になることは少ない。 一方、性格がかなり硬く、柔軟性に欠ける人がいます。人の忠告を聞く耳をもたず独走してしまい、ほどよくブレーキをかけた行動がとれません。がむしゃらに仕事をして倒れてしまったり、勉強ばかりしてほかのことを忘れてしまうような、のめり込む性格の人は心の病になりやすいでしょう。人との交流をまったくもとうとしない、人との交わりによる喜びを求めない人も、いろいろな心の病になりやすい。また、すべて完壁にやらなければ気がすまない人は、仕事上のちょっとしたミスや勉強のミスが、気になってしょうがなくなります。なんとかしなければとやっきになり、全体の視野を見失ってしまう。このような人も病気になりやすいといえるでしょう。あまりに勝気だけが走ってしまい、皆と楽しむことを忘れるような人もいます。出世街道まっしぐらに走るのみであったり、よい成績をとることばかりに向かってまっしぐらでいると、ほかが見えなくなってしまい、心の病になりやすくなります。

 

 

また、人のことが非常に気になる対人過敏の人があげられます。人と自分を比べて、自分が能力がない、風朱があがらないと思ってしまう人も病気になりやすいものです。とくに登校拒否の人は、人との比較をやりすぎて自滅していくことがあります。大人になってもすぐに人と比較してしまう性格傾向の人は、うつ病や不安障害になりやすいという結果を私は得ています。

 

 

先述したことと関係がありますが、なにごとも¨悲観的に考えてしまう傾向のある人もあげられます。たとえば街に本を買いに行ったところ、買いたい本がなかったとします。楽観的な人は「また別の日にどこかの本屋で見つければいい」と考えるでしょう。しかし、悲観的な人は「ああ、私はなんて運の悪い人間なんだ。自分が思うことはなんでもこうしてつぶれてしまう」と、たかが本を買えないということを、その人の人生全体の不幸に結びつけてしまいます。こうなると、うつ病などの病気は近くにあるといってよいでしょう。また、依存的性格がきわめて強い人があげられます。日本人に多いのですが、甘えが強く、 一人で決断することが恐く、なにごとも人に頼らざるをえない人たちです。このような性格の人も、病気になりやすい。また、これと似ていますが、未熟な性格の人、 つまり自立心が乏しく、考え方も幼い人は、性格上の準備ができていないために、いざ社会に出た際に病気になりやすいといえます。