人づきあいが苦手

そんなことを言葉でいっても、実際はむずかしいという反論が当然あると思います。性格が柔らかいほうが、心の病になりにくいといいましたが、どう柔らかくしていけばいいのか、誰でもが知りたいところです。この点になると、われわれもそう簡単に答えられるものではありません。もともとの性格が動かない人もいますし、話すことで、われわれが思っている以上に性格が柔らかくなる人もいます。また、うつ病になって、それが治っていく経過で、非常に柔軟で楽天家になる人も見かけます。このような人にとっては、うつ病になることが、この人の人生をより広くすることに役に立ったのではないかとさえ思えます。不安障害やそのほかの病気についても、ときに同じことがいえます。ただし、分裂病についてはなんらかの障害を残すことが多いので、人生にプラスするとまでは容易にいえません。まず、自分の性格を柔らかくするときにてっとり早いのはスポーツです。対人関係が苦手で、人が気になって仕方のない人は一人でできるスポーツ、たとえば水泳やジョギングをやってみるといいでしょう。人と接するのが好きな人にはテニス、卓球、空手、柔道、バレーポールなどがあります。

 

 

カルチャーセンターにも運動を教えてくれるコースがあります。スポーツを通して、性格を柔軟にするのは比較的簡単な部類に入るでしょう。スポーツのように、身体で自分の喜びを知ることで、悲観的に考える傾向がなくなります。ズポーツをやったあとの解放感は身体で感じるものだけに、硬い性格を柔軟にする有力な手段です。スポーツは人間を自然に戻してくれます。カウンセリングを受けて、性格を柔らかくしようとすると、時間も費用もかかります。しかし、深刻に病気と結びついてしまう性格の偏りに対しては、カウンセリングを勧めます。人と話すことによって自分を知っていくというプロセスは、自分一人で自分を知っていくプロセスよりもはるかに楽なことですし、安全です。そして人間の幅を広げられるなら、その後の人生はより可能性が広がり、豊かになるでしょう。そのほかには、趣味に時間を惜しまず楽しむことで、単に技術を磨くことだけではなくて、性格の幅を広げ、柔軟にしてくれます。人づきあいが苦手でないならば、山登の会、史跡めぐりの会、句会などのグループに入ることもいいでしょう。うつ病で長く悩んでいた女性が、習字をいやいやながらはじめました。やがて夢中になり、高いレベルまで習熟していきました。最初は、少しあと押ししてあげて趣味に向かわせたのですが、やがて自らの喜びとなっていきました。